SWEET×SWEET+α:
第2話 お昼ごはん
いつもの教室。
いつもの席。
いつもの昼食時間。
そして、いつもの・・・・いつもの・・・・バ、バカップル・・・・
「今日ね〜、ゆーちゃんに、ボク、がんばって、おべんと、作ったのぉー。」
嘘吐け。お袋さんだろーが。お前の作ったのなんか食えたモンじゃねーよ。あの味は凄まじかった・・・(経験者は語る。)
「マジで〜〜!?」
「うん。」
「はのいぃ〜!!ありがとーーー!!」
・・・・悠耶・・・お前、やっぱり騙されてるぞ。
羽依の心ん中が透けて見えるよ。
「楽勝!(ニヤ)」
まぁ、こんなとこかな。
「まー待て;;悠耶。嬉しいのは分かるが、教室で抱きつくのはまずい。やめとけ。」
まさに今、羽依に飛びつこうとするバカ犬を止める。
「なんでだよ!さては、お前、はのいを狙ってるな!いくらお前が俺の親友でも、はのいはやらんぞ!ただでさえ、朝の登校タイムをお前に奪われてんのに!」
「あほか。んなわけねーだろ。」
・・・いらねーよ。そんな腹黒。登校タイムもいくらでも差し上げますよぉ〜。
「ねー早く食べよーよー!」
そう言って、俺たちのやり取りを止め、羽依がこちらを見る。
その目が「余計なコト言うな。」と釘をさす。
はいはい。何も言いませんよぉー。後、怖ぇ〜し。
「コレ、自信作なの〜!」
一口サイズに切ったハンバーグをフォークにさして、悠耶に見せる。
「美味そ〜。」
「でしょ、でしょー?」
「はのいの作ったモンなら、何でも美味いだろうな。」
いや、だから、食えたモンじゃないから。一瞬、三途の川が見えるから。
「えへへ。また、作ってくるね!」
どうぜ、お袋さんにまた作らせんだろーが。
改めて、思う。
なんで、俺、こんなバカップルと親友やってんだろ・・・・(凹)
そして、バカップルはバカップルらしく、ベタな光景に突入する。
「ゆーちゃん、あーーんして。」
「あーーーん!・・・・美味いっ!!!」
でっけー口を開けて、フォークを銜える悠耶のアホ面に心底呆れる。
「じゃあ、お返しな。はの、口、開けて〜。」
「いいの?」
「おう。もちろん!」
今度は悠耶から羽依へ、箸でから揚げが運ばれる。
「あーーーん。」
「どう?」
「おいしーー!」
「そっかー。」
あーうざい。俺、食堂行くかなー。だいたい何でコイツらに毎度付き合わにゃならんのだ。
毎日、毎日、無駄にハート飛ばしやがって!!
「あれ、しんちゃん、ドコ行くの?」
ガタッと音を立てて、腰を上げる俺に羽依が聞く。
「あー。ちょっと食堂。俺、邪魔だろ?2人でどーぞ。」
「そんなことないよぉ〜。」
「そうだぞ。伸。一緒に食おうぜ。」
嫌。もう、ホント、勘弁して。
「今日、弁当、少なかったんだ。もうちょっと何か食いたいから、買ってくる。」
「そうなの?わかったー。」
「いってらー。」
何とか教室を出て、ホッと一息。
こんなことは毎度のことで、俺はゆっくり教室でご飯を食べられた試しがありません。
いつかゆっくり、この教室の自分の席で、ひ・と・り・で!食事してみたいものです。
「さあ、食堂行こ。」
『ちょっと、君?」
急いで、食堂に向かう俺に誰かが声をかけた。
「御月伸吾くん?」
「そうっすけど。・・・えっと。」
返事をして、その人を見ると、口の端を僅かにあげてニコッと微笑んだ。
気のせいでしょうか・・・
なぜか、俺の不幸センサーが反応しています・・・
<つづく>
<後書き>
バカップル、また書いちゃいました。羽依の裏表が楽しいです。伸吾目線じゃなくて、羽依目線でバカップル書きたいな。
伸吾に新たな不幸が・・・(爆)新キャラも私の好物で考え中ですwホント、あほあほ話は楽しいなぁー(笑)
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