SWEET×SWEET+α:


ーprologueー

「俺ってば・・・かなり不幸?」


何が楽しくて、こんなバカップルを近くで見てなきゃならんのだ;;


「ゆーちゃ〜〜〜ん。」

「はのい〜。」


甘い声の連鎖・・・

ただでさえ、暑苦しいのに、それは男同士の、しかも2人とも俺の親友の声・・・


バカだ・・・

バカだ・・・


でも、多分一番、バカは何だかんだでそれを温かーく見守ってる俺・・・だよな・・・



この話、ゲロ甘につき、ご注意を!

注意しねーと、俺みたいな不幸が訪れますよ・・・ははは・・・・(死)




<登場人物>

御月伸吾(みづき しんご)
高2(17)。一応、主人公。ノンケ。毎日、クラスメイトで親友(だと思っていた)二人の甘い時間を嫌と言うほど見せつけられるお人よし。不幸とは思いつつ、現状に流され続ける毎日。ある意味、悲劇のヒロイン(爆)

霧山羽依(きりやま はのい)
高2(16)。黙っていればかなりの美少女。しかし正真正銘、男。悠耶のことが大好きで、人前では、誰もが認める可愛い性格の、クラスのアイドル的性格。しかし、その実態は・・・。

川瀬悠耶(かわせ ゆうや)
高2(17)。羽依以外は、ほとんど眼中に入っていない。羽依を中心に世界が回っている。周りから見た悠耶は一言で言えば、バカ犬。羽依の前にいる悠耶には激しく振れるしっぽが見えるとか、見えないとか・・・





第1話 お出迎え


「おっはよぉーvvしんちゃんww」

「・・・はよ。」

「今日も、すっごーく、不幸オーラ出てるね?どうしちゃったのぉー?」


可愛く覗き込まれても、俺は嬉しかねぇー。

俺はロリコン趣味でもなければ、同姓に興味もないでーす。


「だいたい、なんで俺がお前、迎えに来なきゃならんのだ!」

「何で?って、家近いからに決まってるでしょ!」

「悠耶に来させろよ。」

「ゆーちゃんはおうち遠いもんー。それに朝一からあの濃いー愛は受け止めきれませーん!えへ。」


・・・・・

・・・・・

悠耶・・・お前、騙されてると俺は思うぞ。


まぁ、羽依は黙ってりゃ、その辺の女の子よりも可愛いと思う。

でっかくて綺麗な目にじーっと見つめられりゃ、悠耶のごとく、ノンケでも落ちるかもしれん。

じゃあ、なぜ、俺が落ちないか。

そんなのは至極簡単!


羽依は・・・2重人格だから。


親友で付き合いの長い俺は知ってる。

コイツが実はかなりの腹黒だってこと。

人前じゃ、少々幼さの残るピュアな可愛い子・・・

だが、その実態は、毒舌を撒き散らす酷く捻じ曲がった性格だ。

おれは、コイツほどの策略家を知らない。

それに気付いているのは、どうやら俺だけのようだ。(何故、気付かんのだ?)


そもそも、毎日、俺に迎えに来させるのは、悠耶とのことを相談・・・

いや、グチりたいだけなんだろう・・・俺はいつの間にやら、まんまと羽依の捌け口にされていた。


やっぱ不幸だ・・・俺・・・


「あのさ、じゃ、なんで悠耶と付き合ってんの?」

「えーだって、可愛いもん。」

「可愛い?あのデカいのが?」

「うん。なんでも言うこと聞いてくれるしー、優しいし、いい旦那様になりそうでしょ?」

「・・・それってパシリに近いんじゃ;;」

「なんか言った?」

「いいえ、何も。」

「そう?あ、あとね、上手いからw」

「・・・何が?」

「えー、そんなの決まってるでしょ?エ・・・」

「・・・もういい、皆まで言うな。」


慌てて、羽依の言葉を遮る。

朝っぱらから、そんな濃い話聞かせんなー;;


羽依は俺の前じゃ、下ネタもOKらしい。

皆に見せてやりてぇ、コイツの正体。

悠耶・・・お前も大概哀れだよなぁ・・・


「あ、ゆーちゃーん。」


いつの間にか到着した校門の前には、いつものように悠耶が羽依を待っていた。


「はのーー。」

「ゆーちゃーーん。」


朝、一発目のハグ。

羽依の言った通りだな・・・

うん、濃い・・・濃いよ・・・悠耶・・・


「・・・・はぁ。」


そして、お人よしの俺は、そんな二人の影になるように立つ。

俺ってば、バカ・・・

何、周りに見えないように隠してやってんだ、俺〜;;

いつも、いつも、何で俺は・・・(泣)


俺、不幸・・・

誰か、こんな俺に救いの手を・・・


「もう、いやだぁーーーー!!!」



<後書き>

あほあほ話です(爆)私の大好きなものいっぱいなこの話。今回はまだ序章です。1話完結で、これからもちょこちょこ書いていきますので、よろしくですvバカップルと悲劇のヒロイン(笑)、どんどん濃さを増していきたいと思います。羽依はかなりの透葵の趣味丸出しの受け君です(笑)伸吾もいずれお相手を!と企画中。この子はCPになっても不幸がいいなー・・・(酷)




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